確か、副作用があるって聞いたこともあるんですが。
プエラリアとは
バストアップサプリメントやクリームなどに幅広く使われているプエラリアですが、原産国はタイやミャンマーで、高い山岳地帯で育つマメ科の植物です。
プエラリアの中でもとくにプエラリアミリフィカという種類は品質が良く、根っこの部分に植物性のイソフラボンを豊富に含んでいますが、希少性が高く、タイでは法律によって栽培規制がされていて取り扱いも厳重化されています。
サプリメントやクリームなどプエラリアが配合されている商品を購入する場合は、よく注意しなければなりませんね。
チェックポイントとしては、原産国が記載されているものや、信頼できるメーカーが販売しているものを選ぶといいですね。
プエラリアがバストアップに効く理由とは?
プエラリアがバストアップサプリメントなどにたびたび登場する理由はその成分、植物性イソフラボンとプエラリンにあります。
これらの説明をする前に、バストアップをするメカニズムについてご説明しましょう。
バストアップするメカニズム
バストは大胸筋からクーパー靭帯を通じて乳腺とつながっており、乳腺は乳房の先端部分乳頭に集まっています。出産すると乳腺でお乳が作られて分泌されますよね。
バストのサイズや形を決めているのは、この乳腺の大さとその隙間を埋めるべく存在している脂肪細胞です。乳腺が多く発達しているほどサイズが大きくなりそれに合わせて脂肪細胞も増えて大きくなります。
そして、乳腺の発達に欠かせないのがエストロゲンという女性ホルモンです。女性ホルモンは丸みを帯びた女性らしい体を作り出すホルモンで、排卵期に分泌量が増えます。
排卵期付近になるとバストが張りやすくなりますが、まさにエストロゲンの働きによるものなのです。
さて、エストロゲンには、乳腺を発達させる効果や子宮に働きかけて子宮内膜を厚くする作用、お肌や髪にツヤと潤いをもたらせるなどの働きがありますが、分泌量が減ることで乳腺が退化してしまったりお肌が乾燥して弾力を失ったりといった弊害を引き起こしてしまいます。
特に、乳腺が退化することでバストが垂れて形が悪くなったり、サイズが小さくなったりとバストと直結しているホルモンといえます。
このようにバストアップを考えるならエストロゲンの分泌量を増やすことが大切ですが、エストロゲンは体内で作られるホルモンのため、そう簡単に増やすことはできません。
そこで活躍するのがプエラリアに含まれている植物性エストロゲンです。
植物性エストロゲンにはエストロゲン類似作用があり、摂取することで体内で分泌されるエストロゲンと同じような働きをします。例えば、先に述べた乳腺を発達させたり子宮内膜を厚くしたりと、まるでエストロゲンの分泌量が増えたような働きを示すのです。
さらに、プエラリアに含まれるプエラリンにはイソフラボンが豊富に含まれています。
イソフラボンといえば豆乳や大豆製品に含まれているので耳にしたことがあるかもしれませんが、その量は大豆に比べるとなんと40倍となるため豆乳などの大豆製品を摂取するよりも強くエストロゲンの働きを助けます。
したがって、プエラリアミリフィカが配合されているサプリメントを飲んだりクリームをお肌に塗ったりすることで、エストロゲンの分泌量が増えたときと同じ働きをしてその効果を促進させることができるのです。
でも、女性ホルモンと同じ働きをするので大量に摂取してしまうとその副作用が心配されています。
実際に健康被害も出ているようなんです。
プエラリアの副作用とは
バストアップに効果があるとして注目されているプエラリアですが、それ自体に植物性エストロゲンを含んでおり、成分のプエラリンにもイソフラボンが多く含まれているため、継続的に大量に摂取するとホルモンバランスが乱れてしまいます。
特に、早くバストを大きくしたいと用法容量を守らなかった場合に副作用が出やすくなってしまいます。
その症状としては、月経不順や月経時以外の不正出血、偏頭痛や吐き気、胃痛や胸やけ、吹き出物やかゆみなどが挙げられます。
市販されているサプリメントなどは「短期間で胸がおおきくなる」「1か月で2カップサイズアップ」というような謳い文句を呈していますが、このような言葉に乗せられてサプリメントを飲み続けたところ、生理がズレてしまったり不正出血がおこったりというケースが増えています。
さらに、学会データによれば摂取量を越えて取ることで、女性ホルモンの働きが優位になるので、ホルモン量に依存しやすい乳がんや子宮がんにかかるリスクも高くなってしまうという報告がされています。
プエラリアを取ると必ずがんになってしまうわけではありませんが、摂取の際は分量に注意した方がいいでしょう。
厚生労働省の2017年8月の調査によれば市販されているプエラリアミリフィカが含まれている商品は68製品あり、そのほとんどが成分含有量の未記載となっていました。
さらに、国民生活センターの報告によると2012年度以降5年間における健康被害の報告は223件あり、そのうち月経不順が67件、アレルギー症状が66件、不正出血が42件ときわめて多く寄せられました。
そしてこれらの健康被害の多くは、2015年以降プエラリアミリフィカが世に出回ってからより多く報告されるようになりました。
また、月経異常だけでなく胃痛や胸やけ、肝機能障害といった内臓関係に関する報告もされており、より深刻な健康被害が発生しています。
これを受けて厚生労働省では、商品パッケージや販売経路においてプエラリア製品には女性ホルモンの働きをする性質があり体に影響する旨、肝機能障害を重篤化させる可能性、1日における摂取量の明記を各メーカーに求めるようになりました。
とはいえ、自主規制的な側面もまだまだあるため、利用者側が予想されない健康被害の実態を正しく知った上で摂取しなければなりません。
プエラリアミリフィカを含有するサプリメントやクリームなどを使用したことで健康被害が出た場合は、すぐに摂取をやめて医師による診察を受けることも大切です。

これから購入するときは表記をきちんと確認して気をつけた方が良さそうですね。
妊娠中や産後すぐの人は特に注意
これまで説明してきましたように、プエラリアには強いホルモン類似作用があります。
そのため、妊娠中の女性が摂取した場合子宮への影響が懸念され、重篤な場合には流産の可能性もあり得ます。また、産後すぐの人もホルモンバランスが整っておらず体調を崩しやすい状態です。
断乳くらいまでは無理をせずプエラリアの摂取を控えておく方がいいでしょう。
これってバストに悩む女性にとっては救いの神のような存在だと思いませんか。
でも、実際には健康被害もあるので注意しなければなりませんね。
プエラリアに限らず、どんな製品でも体質や摂取量によっては体調に変化を及ぼす可能性があります。定められた用量と用法を守って正しく取ることがバストアップへの近道かもしれませんね。
そして、何か異変を感じたらすぐにお医者さんに相談するのも忘れないようにしましょうね。