下着のオシャレは女性の特権。
レースやフリル、リボンをふんだんに使ったデザインや、豊富な色柄、ブラジャーとショーツをお揃いにしたり、アウターのイメージに合わせてさまざまなパターンを用意したりと、凝りだしたらきりがないと言われるほどです。
ところが、最近では「女性だけが楽しむのはズルイ!」とばかりに、下着に気を配る男性が増えてきています。
以前はパンツは母親か奥さんが買ってくるものを履くだけ、シャツは白一色のシンプルなものが定番でしたが、今やそんな男性は時代遅れ。
「自分が身につけるものは自分で選ぶ、こだわり抜く」のが当たり前なのです。
これだけを聞けば、「やっと男性の美意識も高まってきたのね」と微笑ましく思う女性がほとんどでしょう。
しかし、「下着に凝る」と言ってもちょっと方向性が変わっていたらどうでしょうか…?
笑ってはいけない?メンズブラのお話
男性用のブラジャー、「メンズブラ」ってご存知ですか?
2008年の発売から静かなヒット商品となっているメンズブラは、女性物にも負けないほど多くのデザインがあります。
愛好者は「女性になりたい」男性ばかりではありません。中間管理職以上のビジネスマン、中高年層のいわゆる「ノーマル」な男性にも多いそうです。
着用する理由は、
- 女性の気持ちを知りたい
- リラックスできる
- 気持ちが引き締まる
- 姿勢がよくなる
など。
女性からしてみれば、「帰宅したらすぐにブラジャーを外したい」という人もいるほど時には邪魔なものですが、逆にリラックスしたり気合をいれるのに役立つこともあるのですね。
特に、包み込まれるような感じが安心感を誘うのだとか。
また、猫背になりがちな日本人男性の姿勢を整える効果もあるそうです。
実際、大事な商談など「ここ一番」の時の勝負用として身につける人も…。
メンズブラのデザイン
気になるのはデザインです。
「男性が身につけるのだから、スポーツブラのようなものでは?」と思うかもしれませんが、その想像はここでも裏切られます。
見た目は女性用のブラジャーとほとんど変わりません。
ワイヤー入りのカップとアンダー・サイドベルト、ストラップがあり、後ろでホックで留めるものばかりです。
また、素材もシンプルなサテンだけでなく、プリント柄やレース、フリルがあしらわれていたりと選り取りみどり。
以外にも、可愛らしいものの方が人気が高いのだそうですよ。
ただし、男性の胸にはふくらみがないので、カップサイズはAのみ。アンダーバストは85cmからというサイズ展開がほとんどです。
バストラインを整える必要もないため、ワイヤーにも補正効果はありません。
女性化乳房と呼ばれる疾患などで必要になるケースも
あくまでファッションの一つであるメンズブラですが、中には身体的な理由により着用せざるを得ないという人もいます。
その一つが「女性化乳房」と呼ばれる疾患。
男性の胸が女性のように丸みを帯び、乳腺や乳頭が発達するものです。
その原因は肝機能の低下やホルモンバランスの乱れなどとされていますが、はっきりとは分かっていません。
衣類に乳頭が擦れたり、走った時に揺れて痛むなど、日常生活に支障をきたすことが多いので、ブラジャーで保護する必要があるのです。
その他にも、健康には影響がないためよほど大きくならなければ放置される、手術に健康保険が適用されないことが多いといった、当の男性には悩ましい問題もあります。
治療法は美容外科で乳腺の切除や脂肪の吸引を行う「縮小手術」がほとんどです。
メンズブラに対する女性の意見
では、女性からメンズブラを愛用する男性はどう見られているのかというと、残念ながら好意的な意見は皆無と言っていい状態です。
特に自分の家族や恋人が身につけていたら「引く」女性が大多数。
パンツとショーツをお揃いにするのはOKでも、やはりカップルでペアのブラジャーを…というわけにはいかないようですね。