豊胸手術の歴史 進化を続けるプロテーゼ

シリコンジェルバッグに代わって台頭してきたのが生理食塩水バッグです。

研究・改良の結果、1990年代半ば、高分子ポリマー(高吸収性高分子)を加えてジェル化した「ハイドロジェルバッグ」が発表されました。

ハイドロジェルバッグの特長

高分子ポリマーは水分を吸収すると数十倍に膨張して固める働きのある成分です。紙おむつやペットシーツ、生理用品などに活用されていますよね。

それまでの生理食塩水バッグに比べて、より自然に近く仕上がるとヨーロッパを中心に普及しましたが、長期間体内に残ることによる安全性や健康への影響が確認されていないということで、2000年代に入って間もなく、使用が禁止されました。

同時期、カルボキシメチルセルロースと生理食塩水、メチレンブルーの混合物から成るハイドロジェルを使用したCMCバッグもありました。

これは通常のハイドロジェルよりも質感や安全性の面で優れているとされていました。メチレンブルーは食品にも含まれる完全に水溶性の物質であり、ジェルが細菌に感染すると透明になるため、状態が確認しやすかったからです。

しかし、施術後アレルギー反応や副作用を訴える患者が表れたことから、現在ではほとんど使われていません。

コヒーシブシリコンの出現

おそらく、ある一つの素材が主流になるとそれの持つ問題点も表れてくるので、各メーカーは同時進行で新しいものの研究を開始しているのではないでしょうか。

というのも、ハイドロジェルバッグが禁止されるとほぼ同時期に、現在の豊胸手術の主流である「コヒーシブシリコン」が登場しているからです。

この素材はシリコンに特殊な加工を施して成型したもので、破損による漏出や形状のバリエーションなど、従来のシリコンバッグのデメリットをほぼ解消したとして脚光を浴びました。

それまでシリコンバッグ最大の問題であった、生体防御反応(免疫反応)により、シリコンが細胞で包み込まれることで硬くなってしまう「カプセル拘縮」もかなり起こりにくくなったとされています。

もちろん登場以降も改良が重ねられ、現在では外膜も何層にも分けられており(バリアコート)、乳房への挿入後のリスクを低減したとされています。

コヒーシブシリコンによる様々な形の表現

コヒーシブシリコンの普及により、それまで丸型しかなかったバッグも、ラウンド型(いわゆるお椀型)やアナトミカル型(涙型、釣鐘型とも)などさまざまな形が形成可能になりました。

また、左右のバランスを取ることもできるため、美容整形の面においても進歩に一役買ったと言えるでしょう。

シルテックス加工を施したメモリーバッグ、外膜が3層になったバイオセルバッグ、ジェルが100%充填されたモディバ、伸縮率の高いポリテックなど、各メーカーからさまざまな特性を持ったバッグが発売されています。

日本ではメモリーバッグとバイオセルバッグが二大巨頭でしょう。

バストップするにはどの程度のバッグが必要?

AカップからDカップくらいにサイズアップするには、大体200CC前後(片側)のバッグが必要です。もちろん細かいサイズ調整にも応じてくれますので、豊胸手術を受ける際にはしっかり担当医に相談しましょう。

美容外科によってはサイズの変更や交換を生涯無料で行ってくれるところもあります。

ただし、厚生労働省はコヒーシブシリコンバッグに限らず、バスト用のプロテーゼを薬事承認していません。このため、豊胸手術は自由診療扱い、自己責任において行うものとされています。

まとめ

近代の豊胸手術の歴史は、そのままプロテーゼの進化でもあります。

現在ではかなり人体に影響が少なく、自然に近いバストを形成できるようになりましたが、経年劣化や本人の加齢による違和感や変形など、さらに改良が必要な問題点は残っています。

今後より研究が進み、よりよいプロテーゼや術式が登場することを期待したいですね。


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